ずん
アニメで戦争が残酷になるって、むしろ現実の方がヤバいんじゃないのだ?
でぇじょうぶ博士
それが違うんでやんす。人間の脳は「色」「音」「動き」という三拍子が揃うと、途端にリアリティを感じるように出来ているでやんす。漫画の静止画では想像の余地があったものが、アニメでは容赦なく全部見せられるでやんす。
やきう
ワイ、逆に漫画の方がエグく感じるけどな。想像力で補完する分、脳内で勝手に増幅されるやろ。
でぇじょうぶ博士
それも一理あるでやんす。ただ、音と動きがつくことで「時間」という概念が加わるのが大きいでやんす。漫画なら一瞬で読み飛ばせる死のシーンも、アニメだと数秒間、強制的に見せられるでやんすからね。
ずん
でも11巻を2時間って、めちゃくちゃ削ってるのだ。むしろマイルドになってるんじゃないのだ?
でぇじょうぶ博士
鋭いでやんす、ずん。確かに東京大空襲のシーンとかはカットされているでやんす。でも逆に言えば、主人公・田丸の主観に絞ることで、観客は逃げ場がなくなったとも言えるでやんす。
やきう
要するに、視聴者を島に閉じ込めたってことか。エグいやん。
でぇじょうぶ博士
まさにそうでやんす。ペリリュー島という9km×3kmの小さな地獄から、一切目を逸らせなくなったでやんす。原作では視点を切り替えて一息つけたのに、映画ではそれが許されないでやんす。
ずん
それって、観客を人質に取ってるようなもんなのだ...
やきう
しかも2時間拘束やろ?トイレも行けんやん。まさに戦場や。
でぇじょうぶ博士
ふふふ、やきう君、いいこと言うでやんすね。映画館という密室で、逃げ場のない戦争を体験させる。ある意味、これも「戦争の追体験」でやんす。
ずん
じゃあボク、配信で観て好きな時に一時停止するのだ!
やきう
お前、戦場で「タイム!トイレ休憩!」って言うつもりか?
でぇじょうぶ博士
言えないでやんす。というか、実際のペリリュー島の日本兵は2年半も洞窟に隠れて戦い続けたでやんす。トイレどころか、食料も水もまともになかったでやんすよ。
やきう
2年半...?それ、もう戦争終わっとるやん。誰か教えたれよ。
でぇじょうぶ博士
それが戦争の恐ろしさでやんす。情報が遮断された状態では、終わった戦争すら続けてしまうでやんす。まるでブラック企業で、とっくに倒産してるのに働き続けるようなもんでやんすね。
やきう
お前の会社、まだ倒産しとらんやろ。希望を持てや。
でぇじょうぶ博士
でもこの映画、まさに「今」公開する意味があると思うでやんす。戦争の記憶が薄れていく中で、こういう「忘れられた戦い」を若い世代に伝えるのは重要でやんすからね。
でぇじょうぶ博士
安心するでやんす、ずん。この作品はあくまでフィクションとして作られているでやんす。ドキュメンタリーではなく、エンタメとしての戦争映画でやんす。
でぇじょうぶ博士
語弊があったでやんすね。正確には「物語として消化可能な形で提示している」でやんす。生々しい記録映像を見せるのではなく、キャラクターに感情移入させることで、観客に戦争を「体感」させる工夫がされているでやんす。
でぇじょうぶ博士
まあ、そう言えなくもないでやんすね。でも、泣くことで初めて戦争の悲惨さを実感できる人もいるでやんす。理屈じゃなくて、感情で理解するというやつでやんす。
ずん
じゃあボク、泣かないから理解しなくていいってことなのだ!
でぇじょうぶ博士
ずん...おいらも時々、あなたの感情回路が正常に機能しているのか心配になるでやんす。
ずん
大丈夫なのだ!ボクはただ、戦争映画を観る勇気がないだけなのだ!正直に言えば褒められるって、ママが言ってたのだ!