ずん
「最後の奇書」とか言ってるけど、この人まだ生きてるのだ。詐欺じゃないのだ?
でぇじょうぶ博士
違うでやんす。これは「もう二度と奇書は生まれない」という覚悟の表明でやんす。いわば文学界への挑戦状でやんすね。
やきう
ワイ、暇すぎてパチンコしてたら小説書いちゃいましたーって、それ天才のムーブやんけ。凡人をナメとるやろ。
ずん
でも博士、心理学の論文読んでトリック考えるって、ボクでもできそうなのだ!
でぉじょうぶ博士
甘いでやんす。ずんは論文を読んでも三行で寝落ちするでやんす。
やきう
精神科病院で夜勤バイトしながら患者と煙草吸ってたとか、今なら炎上案件やで。時代が違うんやなぁ。
でぇじょうぶ博士
そうでやんす。当時の経験が「双子」や「絵描きと蚯蚓」という作品に昇華されているでやんす。まさに狂気と正気の境界線上で生まれた文学でやんすね。
ずん
でも『黒死館殺人事件』とか『ドグラ・マグラ』って、読んだことないけど有名なのだ?
やきう
お前、マジで何も知らんのやな。日本ミステリの三大奇書も知らんとか、恥ずかしすぎるやろ。
でぇじょうぶ博士
まあずんレベルだと、タイトルを覚えるだけで脳のメモリが一杯になるでやんすからね。
ずん
ひどいのだ!でも「新変格」って何なのだ?新本格の向こうを張るって意味わかんないのだ。
でぇじょうぶ博士
簡単に言えば、論理的なパズルを重視する「新本格」に対して、精神病理や心理学を武器にした異常性と芸術性を追求するスタイルでやんす。理詰めより狂気でやんすね。
やきう
要するに「俺は普通のミステリとは違うんや」アピールやろ?中二病全開やんけ。
ずん
トリック先に考えてから物語を後付けって、それ邪道じゃないのだ?
でぇじょうぶ博士
むしろミステリでは王道の手法でやんす。アガサ・クリスティも同じ方法でやんすよ。ずんの発言こそ邪道でやんす。
やきう
しかし精神医学文献読んでトリック考えるとか、ワイには無理や。論文見ただけで眠くなるわ。
でぇじょうぶ博士
やきうは起きてても寝てるようなもんでやんすから、大差ないでやんす。
ずん
でも暇すぎて小説書いちゃうって、ボクも真似できそうなのだ!今から書くのだ!
でぇじょうぶ博士
ずんの場合、暇すぎて昼寝して終わりでやんす。
やきう
そもそも大学院で心理学専攻してたのに、なんで小説家になるんや。普通に心理学者になった方が安定してるやろ。
でぇじょうぶ博士
それを言ったら身も蓋もないでやんす。でも倉野氏は恩師のツテで編集者と繋がったという幸運もあったでやんすね。人脈は大事でやんす。
ずん
じゃあボクも誰か偉い人の知り合いになれば作家デビューできるのだ?
でぇじょうぶ博士
ずんの場合、コネがあっても才能がないから無理でやんす。
やきう
『スノウブラインド』と『ナッハツェーラーの城』で同じ比喩表現わざと使うとか、セルフオマージュやんけ。手抜きちゃうんか。
でぇじょうぶ博士
違うでやんす。これは意図的な「反復」という技法でやんす。読者に既視感を与えて不安を煽る高等テクニックでやんすよ。
ずん
なるほど!じゃあボクも同じ表現使いまくれば天才っぽくなるのだ!
でぇじょうぶ博士
ずんがやったら単なるボキャブラリー不足でやんす。
やきう
Black Sabbath聴いてたとか、完全にオタクの陰キャムーブやん。まあワイも聴くけどな。
でぇじょうぶ博士
やきうもオタクの陰キャでやんすから、同族嫌悪でやんすね。
ずん
結局この人、何がすごいのかよくわからないのだ。暇だったから小説書いて、運よく出版できただけじゃないのだ?
でぇじょうぶ博士
...ずんは本質が見えてないでやんす。倉野氏のすごさは、精神医学の専門知識をエンターテインメントに昇華させた点でやんす。学問とフィクションの境界を自在に行き来できる稀有な才能でやんすよ。
やきう
まあ確かに、論文読んでトリック考えるとか、普通の作家には無理やろな。専門知識ないとできへんわ。
ずん
じゃあボクも今から心理学勉強すれば作家になれるのだ!?
でぇじょうぶ博士
ずんが心理学を学んだら、自分が一番ヤバい患者だと気づいて絶望するだけでやんす。