ずん
「冤罪って、結局警察が無能だから起きるんじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「それは半分正解で半分不正解でやんす。無能というより、むしろ有能すぎるのが問題でやんすね」
やきう
「は?有能が問題ってどういうことや。お前の脳みそ腐っとるんか」
でぇじょうぶ博士
「警察は『犯人を捕まえる』ことに特化しすぎて、『真犯人を見つける』という本来の目的を見失ってるでやんす。つまり、最初に疑った人間を犯人に仕立て上げる技術だけが異常に発達してるでやんすよ」
ずん
「なるほど...じゃあボクが疑われたら終わりってことなのだ?」
やきう
「お前みたいなクズ、疑われる前に自白しそうやけどな」
でぇじょうぶ博士
「実際、この布川事件では41時間の取り調べと記録にありますが、実態は連日朝から深夜までの密室尋問でやんす。まるで中世の魔女裁判でやんすね」
ずん
「41時間って...ボク、8時間労働でもキツイのだ」
でぇじょうぶ博士
「しかも恐ろしいのは、40日以上前のアリバイを要求してくることでやんす。皆さん、40日前の夜7時から11時まで何してたか証明できるでやんすか?」
ずん
「むむむ...ボクは家でゴロゴロしてたと思うけど、証拠はないのだ」
やきう
「お前の場合、毎日家でゴロゴロしとるから、むしろアリバイ成立しそうやな」
でぇじょうぶ博士
「この事件の本質は、証拠がないからこそ自白に頼るという、完全に倒錯した捜査手法でやんす。証拠がないなら逮捕するな、という当たり前のことができないでやんすね」
ずん
「でも、嘘発見器があれば無実が証明できるんじゃないのだ?」
やきう
「甘いな。あんなもん、緊張したら反応するだけのガラクタやぞ」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。嘘発見器は科学的根拠が乏しく、裁判でも証拠能力が認められないことが多いでやんす。つまり、心理的圧力をかけるための小道具に過ぎないでやんすよ」
ずん
「じゃあ、なんで警察はそんなことするのだ?正義のヒーローじゃないのか?」
でぇじょうぶ博士
「警察組織には『検挙率』というノルマがあるでやんす。未解決事件は組織の恥とされ、昇進にも響くでやんす。だから『とにかく犯人を作る』ことが優先されるでやんすね」
やきう
「要するにサラリーマンの営業成績と一緒やな。数字さえ出せば中身はどうでもええってことや」
ずん
「それって...ボクたちの安全より、警察の出世が大事ってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「残念ながら、そういう側面があるでやんす。しかも、一度『こいつが犯人』と決めたら、組織のメンツもあって引き返せなくなるでやんす。まるで後戻りできない一方通行の地獄でやんすね」
やきう
「で、この桜井って奴は結局どうなったんや?」
でぇじょうぶ博士
「最終的には無罪が確定したでやんすが、逮捕から実に29年かかったでやんす。人生の半分近くを奪われたでやんすね」
ずん
「29年!?ボクの人生まだ29年も生きてないのだ!」
やきう
「お前の人生、価値で換算したら29日分くらいやろ」
でぇじょうぶ博士
「この事件が示すのは、『疑わしきは被告人の利益に』という刑事司法の大原則が、警察段階では全く機能していないという現実でやんす」
ずん
「むむむ...じゃあボクたちはどうすればいいのだ?」
でぇじょうぶ博士
「まず、警察に呼ばれたら即座に弁護士を呼ぶことでやんす。黙秘権の行使も重要でやんす。そして何より、『警察=正義』という幻想を捨てることでやんすね」
やきう
「つまり、国家権力なんて信用するなってことやな。ワイ、最初からそう思っとったわ」
ずん
「でも、それじゃあ社会が成り立たないのでは...」
でぇじょうぶ博士
「信用しないことと、必要性を認めることは別でやんす。警察は必要だが、盲信してはいけない。監視し、疑い、チェックし続けることが市民の義務でやんすよ」
やきう
「お前、普段から疑われる側の人間やろ。むしろ得意分野やん」
ずん
「...確かに、ボク毎日上司に疑われてるのだ。これは訓練だったのかもしれないのだ!」