ずん
「最近の時代小説って、なんか『推し活』みたいになってきてるのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まさにその通りでやんす。井原忠政氏の『真田武士心得』シリーズでは、主人公の右近が主君を『推し』として慕ってるでやんす。忠義じゃなくて、純粋な感情でやんすね」
やきう
「ワイも推しのVTuberに投げ銭しまくっとるけど、それと同じってことか?戦国武士も結局オタクやんけ」
ずん
「でもそれって、ただの部下として仕えてるわけじゃないってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。右近は『俺は真田家に仕えているわけじゃない』と繰り返し言ってるでやんす。フリーランスの用心棒みたいなもんでやんすね」
やきう
「それ最高やん!組織に守られながら自由とか、まさにワイが目指してる働き方や!ニート最強!」
かっぱ
「お前は守られてすらおらんやろ。ただのスネかじりやんけ」
ずん
「でも博士、矛盾を抱えた人間を描くのが小説の面白さって、どういうことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「テレビドラマだと『そんな矛盾した人物はダメ』って言われるでやんす。でも小説なら、つじつまが合わない人間をそのまま描けるでやんす。人間ってそもそも矛盾だらけでやんすからね」
やきう
「ワイも矛盾の塊やで。働きたくないけど金は欲しいし、モテたいけど外には出たくない」
ずん
「真田家が人気なのは、徳川家康にいじめられてたからっていうのは面白い視点なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「判官贔屓でやんすね。日本人は弱い者いじめをする強者が嫌いでやんす。家康のずる賢さに一矢報いる真田家に、喝采を送りたくなるでやんす」
やきう
「でも家康って結局天下取ったやん。真田なんて負け組やで」
かっぱ
「お前の人生も負け組やんけ。人のこと言えへんやろ」
ずん
「でも『推し』として慕うって、現代的すぎないのだ?戦国時代にそんな感覚あったのかなぁ」
でぇじょうぶ博士
「むしろ昔の方が、そういう個人的な感情で動いてたかもしれないでやんす。『忠義』とか『仁義』って言葉は、後付けの理屈でやんすからね。生の感情の方がリアルでやんす」
やきう
「ワイも会社に忠誠心なんてないで。ただ金のために働いとるだけや」
ずん
「右近みたいに自由な宮仕えができるなら、ボクもサラリーマンやってみたいのだ!」
でぇじょうぶ博士
「甘いでやんす。右近は実力があるから自由が許されてるでやんす。ずんみたいに何もできない奴は、組織にしがみつくしかないでやんすよ」
やきう
「結局、力がある奴だけが自由になれるってことやな。世の中不公平すぎやろ」
かっぱ
「お前が不公平言うんかい。親のすねかじっとる奴が何言うとんねん」
ずん
「むぅ...じゃあボクも推しのために働くスタイルを目指すのだ!会社じゃなくて、推しのために!」
でぇじょうぶ博士
「それはただのホストに貢ぐ女でやんす」
やきう
「推しに金使って破産するパターンやん。アホすぎて草」
ずん
「ちょっと待つのだ!右近は復讐のためにも動いてるって言ってたのだ。それも『理屈じゃない生の感情』なのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。復讐って、倫理的には褒められたもんじゃないでやんす。でも人間の根源的な感情でやんすから、物語として面白くなるでやんす」
かっぱ
「復讐って結局、自分のためやからな。綺麗事やないところがリアルやわ」
やきう
「ワイも復讐したい相手おるで。ワイを社会に出さへんかった親とか、学校とか、国とか」
かっぱ
「お前が勝手に引きこもっとるだけやろ。被害者ぶんなや」
ずん
「結局、この小説が言いたいのは『感情に素直になれ』ってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そう単純でもないでやんす。感情に素直になりつつも、その矛盾を抱えたまま生きるのが人間でやんす。完璧に一貫した人間なんていないでやんすよ」
やきう
「矛盾を抱えて生きるって、めっちゃしんどそうやな。ワイは何も考えんと生きる方がええわ」
ずん
「でも戦国時代の武士も、結局ボクらと同じように悩んで、矛盾を抱えて生きてたってことなのだ。それってなんか安心するのだ!」
でぇじょうぶ博士
「そうでやんす。時代が変わっても人間の本質は変わらないでやんす。だからこそ、何百年前の物語が今でも面白いでやんすね」
やきう
「でも結局、右近みたいに自由に生きられる奴は一握りやろ。ワイらみたいな凡人はどうしたらええねん」
ずん
「ボクは右近みたいに『推し』のために生きる人生を選ぶのだ!そして矛盾を抱えながらも、つじつまが合わないまま突き進むのだ!...ってことは、今のままニートでもいいってことなのだ?」