# ディスカッション
制御性T細胞が切り拓く免疫革命の未来
ずん
「免疫が自分を攻撃するって、完全に自滅じゃないのだ?人体バグってるのだ。」
でぇじょうぶ博士
「おっと、そう単純でもないでやんす。坂口教授が発見した制御性T細胞は、まさにそのバグを修正するデバッガーみたいなもんでやんす。」
やきう
「デバッガー?お前の人生にもそういうの必要やな。」
でぇじょうぶ博士
「む、むぅ...。とにかく、この細胞は免疫の暴走を止める役割を持ってるでやんす。20年かけて突き止めたんでやんすよ。」
ずん
「20年!?そんなに時間かけて、途中で諦めなかったのが不思議なのだ。」
でぇじょうぶ博士
「実は坂口教授、SKGマウスっていう関節リウマチのマウス研究も並行してやってたでやんす。こっちはすぐ評価されたから、楽しく続けられたらしいでやんす。」
ずん
「なるほど!副業で精神安定を保ってたってことなのだ。現代的なのだ。」
やきう
「いや、どっちも本業やろ。お前の副業は昼寝やんけ。」
でぇじょうぶ博士
「面白いのは、Foxp3っていうマスター転写因子の話でやんす。これが制御性T細胞の親玉で、これがないとIPEX症候群っていう重篤な自己免疫病になるでやんす。」
ずん
「じゃあそのFoxp3とかいうのを増やせば、病気治るってことなのだ?」
でぇじょうぶ博士
「そう簡単じゃないでやんす。無理やり発現させても不安定で、すぐ消えちゃうでやんす。だから今、エピゲノムレベルで自然な分化メカニズムを解明してるでやんす。」
やきう
「エピゲノムって何やねん。また新しいカタカナ出してきて...」
でぇじょうぶ博士
「DNAやヒストンがどう修飾されて遺伝子発現を制御するかってことでやんす。制御性T細胞になる前から、もう特殊なエピゲノム変化が起きてるんでやんすよ。」
ずん
「つまり、生まれる前から運命が決まってるってことなのだ。ボクの人生みたいなのだ。」
でぇじょうぶ博士
「この研究が進めば、制御性T細胞を自在にコントロールできるようになるでやんす。増やせば自己免疫疾患やアレルギーの治療、減らせばがん免疫療法に応用できるでやんす。」
ずん
「え!?がんにも効くのだ?じゃあもう万能じゃないのだ!」
やきう
「アホか。がんの場合は制御性T細胞が邪魔するから、逆に減らすんやで。免疫ががん細胞を攻撃できるようにな。」
でぇじょうぶ博士
「その通りでやんす。制御性T細胞は免疫のブレーキみたいなもんでやんすから、がん治療ではブレーキを外す必要があるでやんす。」
ずん
「なるほど...でも、自己を攻撃するT細胞って完全に排除されてるわけじゃないのだ?」
でぇじょうぶ博士
「実は健康な人でも10の6乗個に1個くらいの割合で、自己抗原に反応するT細胞が存在してるでやんす。でも制御性T細胞が抑えてるから病気にならないでやんす。」
やきう
「ってことは、ワイらの体内にも常に内戦の火種があるってことか。」
ずん
「やばいのだ...ボクの体、いつ内乱起こしてもおかしくないのだ!」
でぇじょうぶ博士
「まあ、制御性T細胞が頑張ってる限りは大丈夫でやんす。しかも、制御性T細胞は自己抗原を"少しだけ強く"認識するように作られてるから、素早く反応できるでやんす。」
やきう
「少しだけ強くって、絶妙やな。強すぎても弱すぎてもアカンわけか。」
ずん
「じゃあボクも"少しだけ"頑張ればいいってことなのだ!完璧なのだ!」
でぇじょうぶ博士
「坂口教授は定年後も研究をばりばり続けるって言ってるでやんす。77歳で現役バリバリでやんす。おいらも見習わないとでやんす。」
ずん
「77歳!?ボクなんて27歳で既に引退したい気分なのだ...」
やきう
「お前まだ就職もしてへんやろ。何から引退すんねん。」
でぇじょうぶ博士
「ちなみに、SKGマウスの研究は2003年にNatureに発表されて、制御性T細胞もFoxp3の論文が2003年でやんす。同じ年に両方の大きな成果を出したんでやんす。すごいでやんす。」
ずん
「2003年...ボクが生まれる前から研究してたってことなのだ。人生かけてるのだ...」
ずん
「失礼なのだ!ボクは...ボクは...免疫力を高めるために休養してるのだ!制御性T細胞のためなのだ!」