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湊かなえ新作が描く"フィクションとノンフィクション"の境界線
ずん
ねぇ、宗教二世が大臣刺殺って、完全にアレじゃん。これ大丈夫なのだ?
でぇじょうぶ博士
むしろ湊かなえ氏は、読者が『アレ』を想起することを計算しているでやんす。そこが罠でやんす。
やきう
罠ってなんやねん。ただ話題性で売ろうとしてるだけやろ。
でぇじょうぶ博士
違うでやんす。本作の真のテーマは、読者が『これは現実のアレだ』と思い込んだ瞬間から始まるでやんすよ。
ずん
え、どういうことなのだ?
でぇじょうぶ博士
犯人の手記はノンフィクション、でも別の作家が書く小説もリアル。読者は『どっちが真実?』と混乱するでやんす。
やきう
ワイらが勝手に現実と結びつけて、作者の手のひらで踊らされとるってことか。
でぇじょうぶ博士
その通りでやんす。芥川の『藪の中』みたいに、複数の視点で語られる『真実』は、実は全部フィクションかもしれないでやんす。
ずん
むむむ、じゃあ2億円献金とか宗教二世の話も全部ダミーってことなのだ?
でぇじょうぶ博士
ダミーというより、読者を引き込むための『舞台装置』でやんすね。本当のテーマは、フィクションとノンフィクションの境界が曖昧になった時、おいらたちは何を信じるのか、という問いでやんす。
やきう
なるほどな。でも結局、出版社は売れりゃええんやろ?話題性バッチリやし。
でぇじょうぶ博士
商業的な狙いもあるでやんすが、それすらも『フィクションを売るノンフィクション』という入れ子構造になってるでやんす。おいらたちが今こうして話してること自体が、作者の思惑通りでやんすよ。
ずん
なんか騙されてる気がするのだ...でもこれ、読み返すと違う真実が見えてくるってこと?
でぇじょうぶ博士
そうでやんす。一度目は『宗教二世の悲劇』として、二度目は『文学権力の闇』として、三度目は『虚構と現実のトリック』として読めるでやんす。
やきう
ほーん、じゃあワイも読んでみよかな。どうせ引きこもりやし時間あるしな。
ずん
やきう、それ自分で言っちゃうのだ?
やきう
うるさい黙れ。お前もニートやんけ。
でぇじょうぶ博士
まぁまぁ、落ち着くでやんす。重要なのは、この小説が『現実の事件をモチーフにしたフィクション』なのか、『フィクションの形をしたノンフィクション』なのか、誰にも断言できないってことでやんす。
ずん
じゃあボクが真実を見極めてやるのだ!...って、どうせ最後まで分からないやつなんでしょ?
でぇじょうぶ博士
察しがいいでやんすね。湊かなえ氏の真骨頂は、読者に『答えのない問い』を突きつけることでやんす。
やきう
つまり、ワイらが永遠にモヤモヤするってことやな。作家ってドSやわ。
ずん
よし決めたのだ!ボクはこの本を読まないことで、作者の術中にハマらないようにするのだ!
でぇじょうぶ博士
それも作者の計算のうちでやんす。『読まない』という選択すら、作品への反応でやんすからね。
ずん
ぐぬぬ...じゃあボクは一体どうすれば...って、もう考えること自体が負けじゃん!これ完全に詰んでるのだ!
「母は宗教に2億円を献金し、家庭は崩壊していった」“数年前の事件”を彷彿させる内容も…文部科学大臣を刺殺した男が寄稿した“手記”の内容 | 文春オンライン引用元:https://bunshun.jp/articles/-/84420